あたしとあなた

 

 

『あたしとあなた』

谷川俊太郎/ナナロク社

 

谷川俊太郎さんの詩集。

ずっと欲しかったもの。

いつ手元へお迎えしようか悩んでいたけど、思い切って購入(´꒳`*)!

 

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渋谷にある、絵本の読める喫茶店

SEE MORE GLASSさんで出会った本。 

 

 

なんとなく惹かれて手に取ったけど、

 もう、帯の言葉がどうしようもなく好きになって。

なんて言えばいいのかな。

 

心をぐっと、掴まれたような感覚

なのかな。

 言葉の並びを見るだけで、

心で暗唱してみるだけで、

その度に心地良く、心が波打つ。

胸がどきどきする。

そんな詩に出会えると、そんなことって滅多にないことだから

凄く嬉しい。

 

 

本を開くと、鮮やかな青。

この詩集、全ページが青い紙で作られてるんです。

 

紙の質感も素敵で。

ずっと触っていたくなってしまうような、しっとりとした青の紙。少し凹凸のある優しい触り心地。

この本のために作られたという、越前和紙の澄んだ青が心地良くて、何度も開いてしまう。

 

本を読む、

そのために本を開く

だけではなく

本を触りたくて、手に取る

そんな感覚になる詩集。

 

クラシカルな雰囲気の装丁、
手に馴染むサイズ。

電子書籍でも本は読めるけれど、

手元に本を置く醍醐味を感じさせてくれるような、素敵な本。

 

 

37篇の詩に登場する、

たくさんの 

 

あたし

あなた。

 

ここにいる、

わたしは誰だろう。

あなたにとってわたしは、何だろう。

あなたは、どこにいるんだろう。

あのときのあなたは、どこにいたんだろう。

 

そんなことを、考えて。

 

心が、

過去や、未来

映画で見たワンシーン

あなたがいた場所

 

いろんなところへ飛んで行った。

この世のたくさんの場所を旅した。

 

 

そらから、

あなたを見ている。

 

あたしの心を覗き込むと、

ふいに

ぐんと、

広い広い世界を思い出す。

 

そんなふうに

旅に出たような気持ちで本を閉じました。

 

 

たぶん今日のわたしが感じることと

数日後にわたしが感じることは

違っているのだろうと思うような詩たち。

だからこそ人生って

1日ずつ過ごす意味があるんだろうと、素敵な詩に出逢うといつも思います。

 

 

お気に入りの詩は

『あたしとあなた』

『音楽』

『呼ぶ』

『笑う』

『他人』

『はにかむ』

『ふっつり』

『微苦笑』

『今朝』

『自販機』

 

(10個もある。これでも削った方。なんてこった。笑)

 

あたしとあなた

から始まり、

詩集

で終わる詩の並びがとても好き。

 

 

 

良い詩集に出逢えて幸せ。

谷川俊太郎さん、有名どころであまり読まずに来たけど、

これからは色々手にとってみようと思いました。だってこんなに心地いいんだもの。

絵本『かないくん』もお気に入りなので、たぶん谷川俊太郎さんの詩や物語の放つ色は、きっと好きなのだと。

 

 

 

 

この世界は、

あなたと、あたし

という二人称で出来ている。

はじまりはいつもそこ。

 

そのことを忘れないでいたい。そう思います。

 

 

 

 

わたしは、

いつかあなたに出逢いたい。

それが誰なのかは、

まだ分からないけれど。

 

きっといつか。